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【セミナーレポート】「2020年までにアパレル・小売メーカーがやるべき新時代の経営戦略とは」船井総合研究所様

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2018.07.11

大和物流では、日本全国の小売業者ならびに物流担当者を対象に「流通小売業 経営戦略セミナー2018」を522日に開催しました。

 

セミナー講師に船井総合研究所の上席コンサルタントを務める岩崎剛幸氏をお招きし、流通市場にとって大きな変革期となる2020年に向けた「流通小売業者が目指すべき新しい時代の経営」について語っていただきました。

 

船井総合研究所 岩崎様による当日のセミナー内容を、セミナーレポートとして下記にまとめましたので、ご覧ください。

 

 

2020年に照準を合わせてイノベーションを起こすことが急務

現在、世界規模で都市型ショッピングセンターの弱体化が大きな問題となり、英国ロンドンでは高い人気を博した有名ショッピングセンターが土曜日の昼過ぎにも関わらず閑散とした状況になっています。その背景には小売・流通業の急速なEC化があり、リアル店舗への集客力低下を招いている大きな要因と言えるでしょう。同様の現象は約3,400店舗のショッピングセンターが存在するといわれる日本国内でも起きつつあり、早急に対応しなければショッピングセンターの衰退は避けられないものになります。

 

日本における小売・流通構造は、人口構成の変化や東京オリンピックの開催などの複合的な要因により2020年を境に大きく変化すると考えられています。ターニングポイントとなる2020年に照準を合わせ、早急に対策を講じることが重要です。過去の延長線上で店づくりをしている小売・流通企業に未来はなく、イノベーションを起こせない企業の存在意義はなくなると言っても過言ではない時代になりつつあります。

 

 

所得意識の変化が市場に与える影響

小売・流通の現状は、EC化率の上昇により大きく様変わりしています。2016年のデータではアパレルのEC化率は10.9%と試算されていますが、2030年には30%を超えると予想されています。

 

アパレルのEC化率

 

また、消費者の所得意識の変化も大きなポイントに。1980年代には80%を占めていた中所得意識層が、2010年以降は32%と激減。逆に低所得意識層は1980年代の10%から48%へと大きく増加しています。この所得意識の変化はアパレル市場の構造にも影響しており、低所得意識層にアピールする“マス・ボリューム”に分類されるブランド群の市場規模が増大しているのです。

 

 

人口構成の変化に対応した販売戦略でチャンスを逃さない

高齢化が進む日本では、2020年には女性の過半数が50歳を超える結果に。アパレルの商品消費は若年層から50歳代のミドル層へと大きくシフトし、新たなる戦略を打ち立てる必要性が求められています。

 

 

過去のイメージや成功体験を捨て、現状をしっかりと把握することが重要で、時代とともに、メインボリュームとなる消費者のライフプロセスにより、エリア特性が変化することにも注目です。

 

90年代に若者の聖地と呼ばれた渋谷も2010年代に入り、大人の街へと変化を遂げています。2015年には、マルイシティ渋谷が大人をターゲット層に定め、渋谷MODIへとリニューアルし、街にいる人口構成の変化に対応しました。

また、ミッドタウンの隣にある日比谷シャンテはミセスの聖地として注目を集め、時代にマッチした店舗運営や商品構成が大きな収益をもたらしています。

 

 

新しい時代を迎え「競争から共創」へと移行

アメリカの小売業では年間8,600もの店舗が閉店、そのなかでもアパレル・ファッション系店舗は2,500店舗と全体の3割を占めます。アパレル企業が苦戦している理由は「コストアップ」、「個人消費の回復の遅れ」、「消費の多様化」と言われていますが、果たしてこれが本当の理由なのでしょうか。

 

消費傾向にはサイクルがあり、約30年周期でシフトしています。1945年~1974年は重厚長大産業、1975年は衣(アパレル)・食・住と自動車産業、2005年~2034年はITAI・ロボット・医療・健康・宇宙となり、19801990年代にピークを迎えたアパレルの消費は、2005年から縮小が止まりません。

 

30年でひとつの業態は転換期を迎え、メインプレイヤーのライフサイクルは循環します。1991年にピークを迎えた百貨店・専門店・アパレルメーカーから、2013年には売上1兆円を突破したユニクロへとシフト。

 

では、次の時代を担うメインプレイヤーとはどのようなものなのでしょうか?

 

新しい時代に求められる小売・流通のスタンスは「競争から共創へ」の意識改革。人口の減少とともに高齢化が進む日本の市場では、限られたパイを奪い合う「相対競争」から脱却し、良きライバルと切磋琢磨しながら顧客の維持・創造に取り組むことで、パイそのものの拡大を目指す「絶対競争」へとシフトすることが重要になります。

 

小売・流通のこれからの未来に必要な「共創」というスタンスでは、①ミッション経営、②社会的一体性(インクルージョン)を考えた事業構築、③SCMの効率化による革新的なスピードアップ、④適正な価格設定、⑤一番商品の開発、⑥業界の常識を覆す発想、⑦社会貢献の7つのメガシフトがポイントになります。

 

 

経営課題に対する3つの改革

経営課題に対しては、以下の3つの変革が求められます。

 

①商品デザインから企業デザインへのシフト

②成果を出すためのプロセス管理

③マスプロモーションからPRとコミュニティーリレーションへのスイッチ

 

自社が現段階で何番店か、何番店を目指すのかによって戦略が変わるため、市場における自社の順位をまずは把握しましょう。そして、自社の企業価値を知り、その価値を最大限高めていく戦略を着実に実行することが重要です。

 

 

2020年に向け、決断すべきことは熟成産業・縮小市場ならではの「勝てる戦略」を知り、シンプルに実行することです。大改革期の中で、新しい事業モデルへの移行とコストの見える化で現状を客観的に把握すること、そして物流と店舗の見える化で戦略を絞り込むことがアパレル業界で生き残るためのポイントです。

 

物流戦略においては、あれこれやらずに取り組む内容をきちんとフォーカスすべきです。物流プロセスを把握し、トータルコストをおさえて利益を生み出すサービスを提供できる、アパレル・EC物流に特化した物流会社をパートナーに選びましょう。

 

 

まとめ

人口構成や所得意識の変化、ECとの共生など、時代の流れをしっかりと把握し、「スマートフォンによる消費行動の変化」、「ICT活用による接客機会の拡大」、「物流・店舗の見える化」、「競争から共創へのシフト」、「取り組む内容へのフォーカス」などひとつひとつの課題をクリアすることが、2020年の改革期に向けた流通小売業者が目指すべき新しい時代の経営と言えます。

 

岩崎氏の「正しく市場を認識しなければ、正しい手を打つことはできない」の言葉通り、アパレル・小売業の未来を作り出すことをコンセプトとして、物流パートナーである私たち大和物流は2020年に向けたソリューションを提供したいと考えています。

 

 

より詳しい内容を知りたい方は、下記リンク先ページで、セミナー当日の配布資料をダウンロードいただけます。

 

https://retail-logi.com/download/1591/

 

 


(講師:プロフィール)

岩崎剛幸(Takeyuki Iwasaki)

株式会社船井総合研究所

上席コンサルタント/シニアエキスパート

 

コンサルティングテーマは、「永続性を実現させるブランド戦略」。アパレル業界を専門領域として、アパレルメーカーの戦略立案、新業態開発を得意とし、SPA専門店、百貨店、GMS、品揃え型専門店にいたるまで川上から裃までのコンサルティングを実施している。現在はアパレル企業のブランド戦略づくりに特に力を入れている。立教大学兼任講師。