物流用語として使用される「モーダルシフト」について、解説しています。
(英語:Modal-Shift)
モーダルシフトとは
モーダルシフトとは、トラックによる貨物輸送を、鉄道・船舶などの大量輸送が可能で環境負荷の小さい他の輸送モードに転換することをいいます。
モーダルシフトと言えば、これまでは物流における環境負荷軽減やコスト削減のために取り組むものでしたが、近年では労働人口の減少に伴い物流の効率化が喫緊の課題となっており、トラックドライバーなどの人手不足対策としてモーダルシフトに取り組む企業が増加するなど、モーダルシフトの果たす役割は年々大きくなっています。
モーダルシフトのメリット・デメリット
モーダルシフトによるメリットとデメリットには、次のような項目が挙げられます。
【メリット】
- CO2排出量が削減できる。
- 遠方地域発送の場合、コストが低減される可能性が高い。(一般的にモーダルシフト効果を出すには納品先の距離が500㎞~600㎞以上必要といわれています。)
- 一度に大量輸送が可能になる。
- 輸送量に対して最小限の人員で輸送が可能になる。
【デメリット】
- コンテナサイズに合わせた荷づくりが必要になり、コンテナサイズを超えるものは対応が難しい。
- トラック輸送よりリードタイムが長くなるケースが多い。
- 駅・港などの発着拠点での積替えが発生する分、品質的なリスクがある。
- 鉄道、船舶のダイヤや天候に左右される為、ジャストインタイムに対応できないケースがトラック輸送より多い。(トラック輸送の場合、豊富な迂回経路を選択する事が可能であるため。)
- コンテナへの積み付けは荷主が対応するケースが多い。
各輸送モードの特徴
◎トラック輸送 : 速達性・利便性(柔軟性)に優れる
◎鉄道 : トラック輸送と船舶の中間的な位置付け
◎船舶 : 速達性は低いが大量輸送に優れる
モーダルシフトが物流のピンチを救う?事例からみる成功のポイント